Everything Everywhere All at Once
通称『エブエブ』を見た。
今年のアカデミー賞を総ナメしていて、
史上初の主要部門6冠を果たしたらしい。
それを受けて、日本でもまだやっていたので、鑑賞。
要素としては
カンフーとファンタジーと最近流行りのマルチバースを組み合わせたような形で
結構なB級感はあったのだが、
ストーリーも演技も映像の発想も素晴らしかった。
ネタバレすると面白くないのであまり書かないが
全宇宙の破壊を目論む悪から、全宇宙を救うために
様々な世界の自分を飛び越えてそれを打ち負かしていくというのが
大筋のストーリーで。
主人公は移民してきた中国系アメリカ人中年女性。
毎日の何もかもが疎ましく思えていた、そんな彼女の変化・活躍を通じて
・自分を信じる心
・夫、娘、父親との確執の超越
・一瞬にしてあらゆる人間を許し、勇気づける力
を見せつけられた。
馬鹿馬鹿しいけど強烈に共感できる
という要素がふんだんに詰まっていたように思う。
アメリカでは移民2世、マイノリティーについて描いていることで
Z世代を中心に強い共感を得ているらしい。
全ての可能性を知り、様々なことを経験して絶望する人間がいる一方で
可能性の海の中から、辛いことがありつつも幸せを見つけてそれを肯定する力。
カンフーで物理的なアクションの見せ場は作りつつも
本当の力は許し勇気づける力であることを真正面からぶつけてきた作品だった。
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